大阪万博ガンダムパビリオンに寄与したガンダムオープンイノベーション(GOI)とは何か?

ガンダム

先般、ガンダムパビリオンでの感想を紹介しました。https://papaikimasu.com/osaka-expo01/

2025年大阪万博の「ガンダムパビリオン」において、「ガンダムオープンイノベーションコンソーシアム(GOIC)」というとのが登場しますが、その内容に寄与しているのは「ガンダムオープンイノベーション(GOI)」のようです。

ガンダムオープンイノベーション(GOI)とは

GOIの定義は以下のようにサイトに記されています。

ガンダムオープンイノベーション(GOI)とは、 人気アニメシリーズ『機動戦士ガンダム』の世界同様に、今後我々社会が向き合う 人口問題や環境問題、宇宙進出といった未来社会のサステナブルなテーマに対して、「ガンダム」と「未来技術」を掛け合わせることにより 未来の夢と希望を現実化を目指すプログラムです。

ガンダムの持つ壮大な世界観には、 まだ実現できていない新しい技術や可能性がつまっています。
私たちはその可能性を現実のものとしワクワクする未来に向かって発展していくために たくさんの人々の創造力と知恵と情熱を結集していきたいと考えています。

公式サイト:https://www.bandainamco.co.jp/guda/goi/

このプロジェクトは、単なるアニメコンテンツの枠を超え、ガンダムという存在を通して未来の社会課題解決に挑むという壮大な構想のもとに始動したようです。その活動の公開の場として、大阪万博は最も相応しいといってもいいと思います。

GOIで採択された13パートナー

GOIは2022年からスタートし、以下のチーム、さまざまな分野の専門家や企業、自治体、教育機関と産官学が採択され、活動を継続しています。

【採択パートナー(順不同)】

1. チームBALL

2. SPACE WALKER

3. 神奈川大学 宇宙ロケット部/航空宇宙構造研究室

4. avatarin

5. 大分県

6. 大和大学 社会学部 SDG研究推進室

7. 東京理科大学 スペースシステム創造研究センター

8. 高砂熱学工業

9. 国際医療福祉大学 宇宙医学研究会

10. U-ELSI

11. チーム宇宙世紀の矛と盾

12. ispace

13. 三菱重工業

アライアンスパートナー

• 日本マイクロソフト

• NTTデータSBC

このような名だたる企業や大学、行政が、ガンダムという一つの旗の下で集結し、活動をしていること自体も驚きですが、オープンイノベーションでは必ずしも成果を出すことができない中で、それをしっかりと成果を出していることもまた驚愕です。

これまでのGOIの活動

GOIは大阪万博以外にも様々な活動をしているそうです。子どもたちに科学に興味をもつ機会を作ってくれているように思います。親として感謝でしかない。

◆GOI宇宙世紀憲章プレート搭載

機動戦士UC(ユニコーン)ガンダムで登場する宇宙世紀憲章が現実にロケットで打ち上げられました。いつの日か人類の想いは未来の人々に伝わることを願います。ロマンですね。

2023年11月に一般募集をした「未来へのメッセージ」を刻したGOIオリジナル宇宙世紀憲章プレートがHAKUTO-R ミッション2で打ち上げ予定のRESILIENCEランダーに搭載されています。
共創パートナーのispaceにより、ペイロードとして月面に輸送されています。

◆雑誌「地球・宇宙・未来」の発行

雑誌名の略称がGUNDAMとなっているのは、編集委員のガンダム愛とセンスを感じます。一読の価値ありです。分野を超えた学祭的な雑誌として誕生しています。雑誌の趣旨は以下のように説明されており、ガンダムが新たな学術的な発表の場を作っています。

『地球・宇宙・未来』(英名, 「Globe, Universe, Next future, Discussions And Mentions」)は編集委員会メンバーがパートナーとして参加した「ガンダムオープンイノベーション」における活動をきっかけに創刊された学術報告誌。本誌は、「ガンダムオープンイノベーション」が掲げる、『この現実世界において「宇宙世紀」を新たに捉えなおし、ガンダムの世界同様に現実世界が抱えている「社会課題」に対して、「ガンダム」と「未来技術」を掛け合わせることにより未来の夢と希望を現実化する』ことを目指し、様々な立場からの問題意識を共有し、分野を超えた連携・協力のきっかけの場を作ることを目的としています。

URL:https://www.u-elsi.org/

◆OITA SPACE HIKE(大分県)

地方自治体として大分県と連携した地域活性×宇宙教育プロジェクト。子ども向けワークショップなど、未来を担う世代をターゲットに据えた取り組みが印象的です。大分県では、大分空港をスペースポートへの展開を目指しているそうで、宇宙教育にも力を入れているようです。地方自治体でも野心的で魅力的な県と言って良いと思います。

GOI採択パートナーが登壇したトークセッションも非常に興味深い内容です。

チラシ:https://rist.tus.ac.jp/wp-content/uploads/2023/08/catalog.pdf

◆日本科学技術館とのコラボ展示

「GUNDAM NEXT FUTURE SCIENCE展 ~未来の豊かな暮らしのために~」のタイトルで、2024年10月03日 – 10月22日に開催されました。

本展はTVアニメーション『機動戦士ガンダム』シリーズの壮大な世界観と最先端の科学技術が融合した、まさに未来を体感できる特別展です。未来の安全で安心できる豊かなライフスタイルや宇宙開発の最前線に触れられるこの展示は、次世代を担う子供たちだけでなく、大人にもインスピレーションを与える内容です。

科学技術館の一角で、GOIの活動内容の展示をしていました。科学技術館に行ったことのない方もこれをきっかけに親子で遊びに行った人もいるのではないでしょうか。常設の展示物も大変魅力的であるので、科学教育の相乗効果を得られたのではないでしょうか。ちなみに、我が子も目をキラキラさせて、楽しんでいました。

紹介ブログ:https://papaikimasu.com/kagakugijyutsukan01

公式サイト:https://www.jsf.or.jp/event/202410gundam/

ガンダム×教育という新たな地平

特に注目すべきは、これらの活動が科学教育や探究学習に深く関与していることです。

私自身、2人の子どもを育てる親として、ガンダムという「憧れ」や「夢」のコンテンツが、学びのモチベーションを高める装置として機能していることに大きな価値を感じています。

アニメを入り口に、子どもたちが科学・工学・倫理・地球環境などに興味を抱く──そんな循環を作れる可能性が、GOIにはあります。

未来へ向けて!行け!ガンダム!

ガンダムオープンイノベーション(GOI)は、ガンダムという作品が40年以上かけて育んできた価値を、社会の課題解決や教育のフィールドに橋渡しする挑戦のように感じます。

このプロジェクトを通じて、ガンダムが単なるアニメ作品から「未来の社会をつくる思想のプラットフォーム」へと変貌しつつあることに感動を覚えます。

子を持つ親として、ガンダムオープンイノベーションの今後のさらなる活動に期待しています。

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